日本安能务版封神演义,第四回 姬昌解围献妲己

日本安能务版封神演义,第四回 姬昌解围献妲己

首页角色扮演执心问道更新时间:2024-05-02

夜襲をかけられて逃げまどい、伏兵に待ち伏せられて狼狽した崇候虎は、伏兵が去った後も、馬から下りなかった。疲労困憊に、恐怖と屈辱が重なり、その上、肩に受けた傷が疼く。彼はついに、こみあげる涙をこらえきれず、馬上に俯して、わんわんと泣き出した。

遭到夜袭后,崇候虎慌忙逃窜。紧接着,埋伏在五冈镇的伏兵又将他打得狼狈不堪。伏兵离去后,崇候虎仍没有下马。恐怖和屈辱反复冲击着疲惫困倦的他。与此同时,肩膀上受到的伤也开始疼痛起来。崇候虎忍了很久,最终还是流下了眼泪。他直接趴在马背上,哇地一声大哭了起来。

崇侯虎

いまや、憎いのは蘇護よりも姫昌である。他人を死地に陥し入れて、あの男は、高見の見物を決めこんでいる。君命を受けながら兵を動かさないのは、明らかな反逆ではないか。抗命(不服従)の罪に陥し入れずに済ませるものか、と涙を拭きながら崇候虎は心に誓う。だから、黄元済が、姫昌に派兵催促の使者を立てよう、と建議したが、あえて耳を傾けなかった。

现在,崇候虎恨的是姬昌,而不是苏护。那个老家伙,自命不凡,却让他人陷入死地!领受君命却没有动兵,不正是明摆着的叛逆行为吗?绝不能让身犯抗命(不服从)之罪的姬昌就此逍遥法外!崇候虎擦干眼泪,暗自在心中起誓。因此,当黄元济建议派使者催促姬昌发兵时,他断然否决了这条建议。

ふと遠くを眺めると、路のはるか彼方に、いつ現われたか、一群の人馬の姿が見える。また来たか、と崇候虎は蒼ざめた。もはや、逃げる気力もない。が、目をこらすと、先頭にはためく二本の旂旙(旗と幟り)に見覚えがあった。

蓦地,崇候虎向远方望去。不知何时,一群人马从遥远的彼方缓缓行来。他们又来了?崇候虎脸色苍白。如今,他已经失去了逃跑的勇气。不过,崇候虎定睛一看,却发现迎风飘扬的两根旂(旗帜)有点眼熟。

九雲、烈焰、飛獣を象った冠をつけ、火眼金睛獣(赤眼で瞳が金色の乗騎)にまたがった大将は、正装している。腰に大きな白い玉帯をしめて、身分の高さを示していた。鍋底のように黒い顏に白い眉、針金のような鬚を顎にたたえている。紛れもない。曹州侯崇黒虎であった。崇候虎の実弟である。

一位身份高贵的大将,身着锁子连环甲,头戴九云烈焰冠(有飞兽之象的冠帽),身骑火眼金睛兽(赤眼金瞳的坐骑),腰系一条又大又长的白玉带,大摇大摆地出现在崇候虎的面前。他面如锅底,眉似白雪,颚下还挂着一缕铁丝一般的赤髯。毫无疑问,此人便是崇候虎的亲弟弟,曹州侯崇黑虎。

崇黑虎

「兄上、急を聞いて駈けつけたが、これは一体、どういうことですか?」と崇黒虎はあきれ顔をした。崇候虎は胸を撫でおろしたが、声も出ない。崇応彪が父に代って挨拶した。

“兄长,我听闻你惨败于冀州,便急忙赶来助你!这到底是怎么一回事?”崇黑虎吃惊地问道。崇候虎松了口气,轻轻拍了拍胸口,却仍未能发出声音。崇应彪替父亲向崇黑虎问好。

「叔父上、遠路わざわざ忝けのうございます」と頭を下げて、経過を説明する。

“叔父远道而来,我父子俩感激不尽!”崇应彪低着头,向崇黑虎说明了事情发生的经过。

「これから冀州城下に赴いて、設営する。お前は、父上を助けて、後から合流せよ」と崇黒虎は三千の「飛虎兵(騎兵の特殊部隊)」を率いて路を急ぐ。そのはるか後方に、二万の後続部隊が続いていた。

“我现在就去冀州城下设营。你先去帮你父亲,然后我们再汇合。”事实上,崇黑虎一得知崇候虎的消息,就先匆忙率三千“飞虎兵(特种骑兵部队)”疾驰来援。现今,在他的身后,两万后续部队正源源不断地开拔而来。

冀州城下に着くと、曹州軍は設営にかかる。その報せを受けて、こんどは蘇護が蒼ざめた。崇黒虎は、蘇護と盃をかわした「義兄弟」ではある。しかし、彼はきっと、実兄の仇討ちに現われたに相違ない。そう思って蘇護は、暗然と思案にくれた。

到了冀州城下后,曹州军开始设营。听到这个消息后,苏护脸色大变。崇黑虎和苏护是歃血为盟过的“义兄弟”。但是,无论如何,他都一定会为自己的亲兄长报仇吧?想到这里,苏护的心情也变得黯然起来。

崇黑虎

「崇黒虎は、武芸百般に通じている。玄理を心得て仙術を使う。城内で、彼に太刀討ち出来るものはいない。どうしたものか?」と蘇護は左右をかえりみた。辺りは、しゅんとして声を立てる者もいない。しかし、長子の蘇全忠が進み出て、傲然と言い放った。

“崇黑虎深谙玄理,擅使仙术,精通百般武艺。冀州城内,没有人能和他一决高下,如之奈何?”苏护回头往左右看了看,没有一个人向他提出建议。这时,长子苏全忠走上前来,傲然说道:

「水、至れば塞ぎ止める。兵、至れば戦うしかない。崇黒虎、なにする者ぞ。父上、ご憂慮には及びません」と胸を張る。

“兵来将挡,水来土掩。崇黑虎又算得了什么?父亲,您不必担心。”苏全忠自豪道。

「いや、お前はまだ子供だ。小牛は虎を懼れない。あの男は仙術を使う。軽く見てはならない」

“不,你还是个孩子。初生牛犊不怕虎。那个人擅使仙术。你可不能小看他。”

「父上、なぜに敵の鋭気を吹聴して、味方の士気を挫くのですか。これからただちに、その崇黒虎とやらを捕えて、お目にかけます」と蘇全忠は馬にまたがると、一気に城門を駈け抜けた。曹州軍の轅門に現われると、大声を張り上げ、崇黒虎を名指して挑戦する。崇黒虎は、火眼金睛獣にまたがって、悠然と現われた。

“父亲,你为什么要长敌人的锐气,灭自己的威风?我现在就去将崇黑虎抓来给您看看!”苏全忠跨上马背,一口气跑出了城门。他一出现在曹州军的辕门之时,就大呼小叫,指名道姓地向崇黑虎发出挑战。崇黑虎骑着火眼金睛兽悠然地现身了。

崇黑虎

「おお全忠君よ!実は、お父上に話があって冀州に来たのじゃ。せっかくだが、すぐ城に戻り、お父上にちょっとご足労願いたい、と伝えてもらえまいか」と、にこやかに語りかけるが、蘇全忠は取り合わなかった。

“哦,是全忠君啊!其实,我到冀州来,是想跟你父亲谈谈。你看,我好不容易来一趟。你能不能马上回城,请你父亲出来见见我呢?” 崇黑虎笑眯眯地发出了邀请,可苏全忠却毫不理会。

「なにを言うか。いまや敵味方だ。父との交情は、すでに消え去ったのではないか?その斧を捨てて乗騎から下りれば、命だけは助けてやる。そうせねば、後悔しても遅いぞ」と蘇全忠は、威風凜々と戟をしごく。崇黒虎は威嚇に、斧を振りあげた。

“你说什么?现在,我们互为敌我!你和我父亲的交情,不是早已消失了吗?放下你的斧头,从坐骑上下来投降,我或许能饶你一命!不然的话,你会后悔的!” 苏全忠威风凛凛地摇动长戟。面对威吓,崇黑虎立马抡起斧头,向苏全忠砍去。

「このヒヨコめ、なんたるわからず屋の無礼者だ。いくぞ!」と斧を振り下ろす。傷つけるつもりはなかった。が、手控えたことで、崇黒虎は苦戦する。——蘇護は、立派な武門の跡継ぎを得たものだ。このガキ、なかなかに腕が立つ——と崇黒虎は、ひそかに舌を捲く。しかし蘇全忠は持てる力を出し尽くして、微塵も容赦がない。追いつめられた崇黒虎は、ついに奥の手を出すほかなくなった。

“小兔崽子!莫名其妙!真是个无礼之徒!看招!”崇黑虎将斧头往下抡去。他本没打算伤害苏全忠。不过,由于手下留情,崇黑虎不自觉地陷入了苦战。——不愧是苏家将门的优秀传人!这小子倒真有几分本事!——崇黑虎悄然捲舌赞叹。苏全忠使出浑身解数,毫不留情。崇黑虎被逼得走投无路,只能使出*手锏了。

铁嘴神鹰

崇黒虎は、負けたと見せかけて逃げる。蘇全忠はムキになって追った。崇黒虎は口に呪文を唱え、背に負った「紅葫蘆(赤いひょうたん)」の蓋を開ける。

崇黑虎假装不敌,逃离战场。苏全忠气冲冲地追了上去。崇黑虎嘴里念着咒语,打开了背上“红葫芦”的盖子。

ギャア!と声を立てて黒い鷹が飛び出した。鉄の嘴をもった神鷹である。その「鉄嘴神鷹」が、蘇全忠に襲いかかった。全忠は慌てて、戟で顔を守る。しかし神鷹は馬を襲った。一撃で馬の目玉を突っつき出す。馬が跳ねて、蘇全忠は落馬した。展開していた飛虎兵が、殺到して、全忠を捕え、後ろ手に縛り上げる。

哑!伴随着一声鹰啸,一只黑鹰从中飞出。这是一只生有铁嘴的神鹰。“铁嘴神鹰”向苏全忠袭来。全忠慌忙用长戟护住头脸,可神鹰却向全忠的战马发动攻击。一击之下,战马头部重伤,两只眼珠直接飞了出去。战马痛得高高跃起,将苏全忠直接摔落在地。散开的飞虎兵蜂拥*至,生擒了全忠,并将其双手缚于背后。

そして、崇候虎の前に引き立てられた。

然后,苏全忠就被拉到了崇候虎的面前。

苏全忠

「おい小僧!昨夜、五岡鎮で見せた、あの英雄ぶりはどうした。ひざまずけ!」と崇候虎は叱咤する。しかし蘇全忠は胸を張って、せせら笑った。その姿に、崇黒虎はいくどもうなずく。しかし恨み骨髄の崇候虎は、逆上していた。

“喂,小鬼!你昨夜在五冈镇何等英雄!如今怎落得个这副模样?还不给我跪下!”崇候虎叱咤道。苏全忠挺起胸膛,冷笑一声。崇黑虎对全忠的不屈姿态颔首连连,可崇候虎却将他恨之入骨,勃然大怒道:

「轅門に引きずり出して首を打て」と左右に命ずる。それを崇黒虎は制止した。

“将他拉出辕门,斩首示众!”崇黑虎对左右下达了命令。崇黑虎见状,急忙制止了他的行为。

「この親子は朝敵である。われらが、勝手に処刑することは許されない。それに、蘇護には、妲己と呼ばれる娘がいる。傾国の美女で、天子がご執心だと聞く。もし天子が、その美貌に免じて、蘇護の罪を赦したら、どうなるか。そのときには、われわれの戦功がフイになるばかりか、逆に、その息子を殺した罪を問われかねない。西伯は未だ来ておらず、すべての責任は、われわれにかかる。だから、蘇全忠は絶対に斬ってはならない。しばらく後営に監禁して、様子を見るべきである」と崇黒虎は言った。言われてみれば崇候虎も、それに従うほかない。

“苏家父子是朝廷的敌人。我们不能随意处刑。况且,苏护有一个被称为妲己的女儿。听说天子对这位倾国的美女情有独钟。万一天子由于她的美貌而赦免苏护的罪过,兄长到时又该怎么办呢?恐怕到那时,我们的战功不仅会化为乌有,与之相反,我们还有可能会因*害苏护之子而被问罪。更何况,西伯现在还没有来,一切责任都在我们身上。因此,苏全忠绝对不能死。我们应该将他暂时监禁在后营,先观察一下战事的发展情况再说。”崇黑虎道。听他这么一说,崇候虎也只能无奈地同意了。

苏护枪挑崇侯虎

蘇全忠が捕われたと知って——言わないことではない——と蘇護は嘆息した。全忠がいなければ、もはや、城を守り抜くことは出来ない。それより、間もなく自分も捕えられるだろう。冀州落城の時は迫っている。冀州は他人の手に渡り、蘇氏一門は亡ぶ。考えてみれば、すべての災いは妲己を生んだことから起きた。これが一代の豪傑末路というものか。ともあれ、落城すれば妻子は曝しものになる。ならば——いっそのこと自分の手で——と蘇護は、右手に抜き身の刀を提げて、奥に入った。

知道苏全忠被捕后——我早就告诉过你了!——苏护发出了浓浓的叹息。如果没有全忠的话,冀州城就守不住了。更重要的是,不久后我自己也会被抓的吧?冀州沦陷的日子即将到来。日后,冀州将落入他人之手,苏氏一族也将尽数覆灭。仔细想想,所有的灾祸都是从妲己的诞生而出现的。这就是一代豪杰的下场吗?不管怎样,如果城池陷落的话,妻女也将会被擒往朝歌,抛头露面,尸骸曝露。那样的话——索性自己亲自动手——苏护右手拿着一把拔出的刀,走进了府邸之中。

「爹々(パパ)どうしてお刀など……」と妲己はおどけて「こわい!」と父親の左腕にすがりつく。えくぼが美しかった。蘇護の腕から力が抜ける。溜息が出た。

“爹爹(爸爸)你为什么要拿刀……”妲己慌忙问道,“好害怕!”妲己紧紧抱住了父亲的左臂。她的酒窝很美。苏护的手臂使不出力,深深地叹了口气:

「なんという巡り合わせぞ」

“这般巧合,真是天意啊!”

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ポタリ涙が床に落ちる。放心した蘇護の耳に、城主の登殿をうながす雲板の音が響いた。蘇護は重い足を引きずるようにして奥を出る。

苏护的眼泪扑簌扑簌地掉在地上。正当苏护精神恍惚之时,催促城主登殿的云板声又响了起来。苏护拖着沉重的脚步,从府邸里走了出来。

「城門の前で崇黒虎が、ご見参!と呼ばわっております」

“崇黑虎在城门前现身,说要拜见您!”

「やはり来たか」と蘇護は唇をかみしめた。諸将を帥府の大庁に集めると——城門を開けるな。城壁を固めよ——と命ずる。

“他果然来了!”苏护咬住嘴唇,将诸将召集到帅府大厅——不许打开城门!赶快加固城墙!——传达了这样的命令。

崇黒虎は城門の前で——蘇護はなにを勘違いしたのであろう——と待ちながら考えた。ついに待ちくたびれて、野営に引き揚げる。

崇黑虎在城门前——苏护究竟误会了什么?——一边等待一边想。良久过后,等得不耐烦的崇黑虎,只得返回大本营中。

日漫版的妲已

「雲梯(城攻めのハシゴ)をかけて攻めよう」と崇候虎が城攻めをうながす。しかし崇黒虎は首を横にふった。

“用云梯(攻城的梯子)发起进攻吧?!”崇候虎催他尽快攻城,可崇黑虎却还是摇了摇头。

「その必要はあるまい。城は兵粮攻めで落ちる。その間に兄上は傷と疲れを癒すがよい。西伯軍の到着を待って攻撃をかける手もある」と崇黒虎は悠揚として迫らない。

“没那个必要。只要截断敌方的粮道,城池就自然会落入我手。在这期间,兄长可先设法疗愈伤痛,消除疲劳。我们可以等西伯军来了以后再发动进攻。” 崇黑虎悠扬不迫道。

それと知らずに冀州城は、城攻めに備えて兵士が激しく動く。しかし蘇護は大庁に腰を下ろして、しょせん坐して死を待つほかない、とあきらめている。

为了防备敌军攻城,不知情的冀州兵士们正做着激烈的战前动员。然而,苏护却已经放弃了这座城池。他如今别无选择,只能在大厅里坐以待毙了。

そこへ、粮秣徴収に出ていた督粮官(兵站司令)の鄭倫が帰城した。

这时,参加粮秣征收的督粮官(兵站司令)郑伦回城了。

郑伦

「半年分の粮秣を調達して参りました。城が包囲されたら一大事と、大急ぎで帰ってきましたが、その気配もなく結構に存じます」

“我已经筹措了半年的粮秣。要是城池被包围了的话,那可就出大事了。因此,我急急忙忙地赶了回来。不过,我目前还没有发现任何敌军围城的迹象。”

「ご苦労をかけた。しかしせっかくの粮秣も、もはや役に立つことはあるまい」

“辛苦你了。可是,你好不容易才筹措到的粮秣,已经派不上用场了。”

「それはまた、なぜでございますか?」と鄭倫は怪訝な顔をする。蘇護は、これまでの経過と状況を説明した。そして涙を浮かべて言う。

“怎么会这样呢?”郑伦露出了惊讶的表情。苏护向他说明了目前的战事进展情况。然后,他含泪哭道:

「実は、いましがた、妻子を始末して自刃しよう、と考えた。天下の笑いものにはなりたくない。諸将にはのちほど言い渡すつもりだが、お前はいいところで帰ってきた。色々と苦労をかけたが、これまでの忠勤には、深く感謝している。旅装を解くな。粮秣も、車から下ろすことはない。そのまま、粮秣部隊を率いて、城を出てくれ。それを手みやげに、どこぞの諸侯に身を寄せるのだ。これ以上、諸君を捲き添えには出来ない」とポロポロ涙を流した。

“其实,就在刚才,我还想先*了自己的妻女,再举刀自尽。我不想成为天下人的笑柄。待会儿,我就会将决定告知诸将,不过你现在回来得正好啊。对你至今为止的忠勤,我只能表示深深的感谢。你在冀州军中吃尽了千辛万苦,如今也该收拾行装,投往他处了。不用将粮秣从车上卸下了。你直接率领粮秣部队出城吧。这些粮秣,就当是你将来寄身于某位诸侯的见面礼。我不能再给你添麻烦了。”苏护潸然泪下道。

剧版郑伦

「これは異なことをおっしゃる。殿は、物の怪に憑かれたのではありませんか。四大諸侯が、いや八百諸侯が束になっても、わが冀州城を攻め落とすことは、出来ますまい」と鄭倫は、貰い泣きしながら声を張り上げた。

“君侯在说什么怪话?!莫不是被妖怪附了身?四大诸侯,不,就算是八百诸侯联合起来,也无法攻下我们的冀州城!”郑伦一边大哭,一边高声劝说苏护。

「お前こそ、物の怪に憑かれていよう。八百諸侯はおろか、崇黒虎ひとりに手を焼いているのじゃ。志はありがたいが、悪いことは言わない。城が包囲される前に、さっさと出て行くがよい。一刻を争う場合じゃ」

“你才被妖怪附身了吧?别说八百诸侯,就算是崇黑虎一人,你也对付不了啊!你的志向固然可贵,但这种狂言也不能随便乱说啊!在城池被包围之前,你还是赶快离开吧!冀州的形势已经刻不容缓了!”

「では、これから崇黒虎を、生け捕ってまいります」

“那好!我现在就去生擒了崇黑虎!”

「全忠めも、まったく同じことを言いおった」と蘇護は制止する。しかし、鄭倫は三千の粮秣部隊を率いて城門を出た。その一見はただの粮秣部隊が、実は、鄭倫が手塩にかけて育てた「烏鴉兵」、つまり特殊部隊である。

“全忠也说了一模一样的话。”苏护制止道。但是,郑伦却直接率领三千粮秣部队出了城门。看似普通的粮秣部队,其实是郑伦精心训练的“乌鸦兵”。和飞虎兵一样,乌鸦兵也是特种部队。

郑伦和苏护

「曹州侯崇黒虎にお立ち合い願いたい。崇黒虎だぞ、間違えるな。他の者に用はない」と鄭倫はしつこく念を押して、轅門で崇黒虎に挑戦した。三千の飛虎兵を率いて、崇黒虎が現われる。二将は、互いに顔を見合わせた。烏鴉兵に対して飛虎兵。その数も申し合わせたように三千。乗騎は共に、寸分違わぬ火眼金睛獣。手にしたものは、一方が二本の斧であれば、他方もまた二本の、ただしこれは杵(槌)である。顔立ちも角型で同形。ただ色は一方が鍋底のように黒く、他方はよく干し上げたような棗色。眉だけは違うが、鬚は、これまた同樣に赤い針金である。

“请曹州侯崇黑虎出城与我交战!我说的是崇黑虎,你们别弄错了!没其他人的事儿!”郑伦在辕门纠缠不休,执意要挑战崇黑虎。崇黑虎不胜烦扰,终于率三千飞虎兵现了身。二将面面相觑。飞虎兵与乌鸦兵对阵。两支特种部队的人数,就像是事先商量好似的,都是三千。他俩的坐骑也是一模一样的火眼金睛兽。手里拿着的武器,一方是两把斧头,另一方则是两把杵(槌)。更有甚者,他俩的容貌都是棱角分明的国字脸。只不过,一方的脸像锅底一样黑,另一方的脸则红得像晒干了的枣一般。最后,尽管他俩的眉毛有些许不同,但颚下都同样生有如同铁丝一般的赤髯。

顔を見合わせはしたが、戦いとなれば互いに容赦はなかった。両獣が飛び交い、斧と杵の火花が散る。鄭倫は、相手が神鷹を使うことを知っていた。しかし崇黒虎は、敵が何者かを知らない。鄭倫は、かつて西崑崙の仙人に弟子入りしたことがあり、仙術を心得ていた。

尽管二将互相看来看去,但一旦交上了手,却都毫不留情。两兽飞来飞去。斧杵相交,火花四溅。郑伦知道对方迟早会用出神鹰,可崇黑虎却不知道敌人的来历。事实上,郑伦曾拜西昆仑的仙人为师,故而通晓仙术。

郑伦

戦いながら、鄭倫は考える。互いに奥の手がある以上、先手を打つに如くはない。

郑伦一边战斗,一边思考。如今,双方都有*手锏,要想取胜,他就得先发制人。

鄭倫の左手が、サッと上にあがる。杵が空で弧を描いた。三千の烏鴉兵が展開して、長蛇の陣を布く。全員が左手で、一本の長い鉄索に取りつき、右手に搦め鉤を提げている。それが大蛇のように、くねりながら殺到した。生け捕りの陣、と崇黒虎は見破ったが、別に慌てない。

郑伦的左手猛地往上一挥。杵在空中划出了一道弧线。三千乌鸦兵散开,布下了长蛇阵。所有的乌鸦兵,左手抓着一根长长的铁索,右手提着挠钩。乌鸦兵像一条大蛇一样,弯弯曲曲地*了过来。这是用来生擒敌人的阵法。崇黑虎识破了机关,觉得没什么好怕的。

不意に、鄭倫の鼻孔から、微かな鐘の響きとともに、白い光が二条、稲妻のように走った。「吸魂光」である。一瞬、身体から魂魄を吸い取られて、崇黒虎は乗騎から転げ落ちた。それを助けあげようと飛虎兵が殺到する。しかし長い鉄索に阻まれて近づけない。一瞬吸い出された崇黒虎の魂魄は、すぐ身体に戻った。しかし、そのときにはすでに、烏鴉兵に搦め取られている。

伴随着微弱的钟声,两股白光忽然从郑伦的鼻孔里如闪电般跑了出来。这就是“吸魂光”。一瞬间,崇黑虎身体里的魂魄被吸走了。于是,他从坐骑上滚落下来。飞虎兵蜂拥*至,想要把他救回来。但在长铁索的阻拦下,他们无法靠近崇黑虎。崇黑虎的魂魄被吸出片刻后,又马上回到了自己的身体里。但那个时候,他已经被乌鸦兵绑了起来。

郑伦

崇黒虎を生け捕ると、鄭倫は勝鼓を叩いて帰城した。勝鼓の音を聞いて、蘇護は、万事休すと瞑目する。敵味方の太鼓の音も聞き分けられないほどに、蘇護の頭は混乱していた。

生擒崇黑虎后,郑伦叩响胜鼓,返回了冀州城。听到胜鼓的声音后,苏护闭上双眼,只觉得万事休矣。现在,苏护的头脑已经混乱得连敌我双方的鼓声都分辨不清了。

しかし蘇護の目の前で奇跡が起きている。大庁の前庭に、縄をかけられて立っていたのは崇黒虎であった。蘇護は自分の眼をこする。しかし間違いなく崇黒虎であった。蘇護は急いで崇黒虎に駈け寄る。自分の手で縄を解き、部下の無礼を詫びた。

然而,奇迹就在苏护的眼前发生了。被绳子绑在大厅前庭的人是崇黑虎。苏护揉了揉自己的眼睛。没错!这人绝对是崇黑虎!苏护急忙跑到崇黑虎身边,亲自为他解开绳子,并为部下的无礼行为道歉。

「いやあ、鄭将軍の仙術には、まったく恐れ入った。一瞬、目が眩んだら、この始末、カタなしとは、このことだよ」と崇黒虎は笑っている。それは、彼が蘇護と結んだ、義兄弟の「義」を信じている証しであった。それと見て、蘇護は率直に苦境を打ちあける。そして助けを乞うた。

“哎呀!郑将军的仙术,实在令人佩服!一时之间,我头晕目眩!等我再次清醒后就蒙了!怎么就这样落到你的手里了呢?这一切都做得天衣无缝啊!”崇黑虎笑着说道。事实上,他能与苏护血为盟,就足见其对兄弟之“义”的信奉。想到这里,苏护坦率地说出了他的苦境,并向崇黑虎乞求帮助。

「実は、冀州に来たのは、兄貴をなだめすかして、貴兄を助けようと考えたからだよ」と崇黒虎は単刀直入に言う。

“其实,我之所以来到冀州,是因为我想劝哥哥几句,并给哥哥力所能及的帮助。” 崇黑虎单刀直入道。

酒が出た。蘇護に希望が湧く。二人の義兄弟は、再会を悦んで痛飲した。

美酒被端来了,苏护也看到了希望。两个义兄弟因重逢的喜悦而开怀畅饮。

他方、弟が捕われたと聞いて崇候虎は、茫然自失する。そこへ、西伯姫昌の使者が現われた。使者は、軍装しておらず、平服である。

另一方面,听闻弟弟被捕,崇候虎茫然自失。这时,西伯姬昌的使者出现了。使者没有穿军装,而是一身便服。

西歧大夫散宜生是历史上的真实人物

「卑職、散宜生、謹んで北伯侯にご挨拶申し上げます。実は……」と使者は用件を言いかけたが、崇候虎は手をあげて制止する。彼は散宜生を、見知っていた。しかし、戦場へ平服姿で現われたのが気にくわない。

“卑职散宜生,谨向北伯侯致以诚挚的问候。其实……”使者刚要说事情,就被崇候虎举手制止了。崇候虎虽然认识散宜生,却不喜欢他一身便服出现在战场上。

「大夫(大臣)、きみたち主従は、なにをのんびり構えていたのじゃ。朝命に逆らって兵を動かさず、国のためには、たとえすね毛一本たりとも損ないたくないようだが、それは人臣の礼にそむく。それを、いまさら、なんの話があるというのじゃね」

“大夫(大臣),你们主仆到底在做什么?!怎么这么久才派你一个人来?!违逆朝命,拒不动兵!为了自家的封国,你们就算是一根毛也不想拔出来!你们的所作所为,就没有违背人臣之礼吗?事到如今,大夫来此,又有什么话要说?”

「わが主君姫昌は、あくまで、兵は凶器なれば、やたらに用いるべからず、と信じております。いま些細なことで、民を労し、財を損ない、万戸を驚慌させるのは、賢明ではございません。軍の通過する地方の人民は、そのための徴税、徴粮に泣き、将兵は、堅い軍服と重い武器に喘ぎ、風雨に打たれて苦しみます。それゆえ、わが主君は硝煙を消し、人々を戦火の苦しみから救うため、卑職に一書を托しました。蘇護が一女を献じて、双方が戈を収め、蘇護の名誉を回復して、平和を取り戻す途はあるのではないか。そうしたらいかがであろう、という趣意でございます」

“我家主君姬昌,始终坚信:兵者,凶器也。不可滥用。今为些许小事,劳民伤财,惊慌万户,非贤明之诸候所为也。天兵所过之地,人民为征粮榷税而泣。况兵将长途跋涉,亦有披坚执锐,风吹雨打之苦。因此,我家主君托卑职下一纸之书,以期硝烟散尽,救人民于战火之中。若苏护献女王廷,双方各罢兵戈,进而使朝廷复其名誉,许其永镇冀州。此非和平之道耶?不知北伯侯意下如何?”

崇候虎は聞きながら、せせら笑った。しかし散宜生は、かまわずに続ける。

崇候虎边听边发出桀桀的冷笑,可散宜生却毫不在意,继续说道:

「もし蘇護が拒否したら、そのときになって兵を動かしても、決して遅くはありません。さすれば蘇護も死して悔いないはずです」

“若苏护拒否此书,届时再动兵讨伐,亦不为迟也。如此,苏护亦死而无悔矣。”

散宜生

崇候虎が、ついに呵々大笑した。

崇候虎终于呵呵大笑起来。

「子供だましも、ほどほどにせよ。これまで兵を動かさなかった言い訳であろうが、あの逆賊が一本の手紙で、娘など差し出すものか。しかし、ものは試しだ。さっそく冀州城に入るがよい。ただし結果は見えすいているぞ。姫昌が、このつぎにどう言い訳するか、楽しみだ」

“就算是骗小孩子的把戏,也要适可而止啊。这或许是姬昌至今尚未动兵的借口吧?但仅凭西伯的一封信,就能让那个逆贼献出女儿?!不过,这件事倒可以试一试。赶快进入冀州城吧。反正结果是显而易见的。我倒想看看,姬昌接下来会如何为自己辩解。”

散宜生は、言われたように、その足で冀州城に赴いた。蘇護は慇懃に散宜生を迎える。まず、その平服姿に安堵の色を浮かべた。散宜生は挨拶をすませて、姫昌の手紙を手渡す。

散宜生依言徒步前往冀州城。苏护殷勤地迎接了散宜生。看到他身着便装,苏护终于松了一口气。散宜生向二人问过好后,将姬昌的信亲手交给了苏护。

朝歌剧照

——率土の浜、王臣に非ざるは莫し(地上の人間はすべて王の臣である)、と言います。天子が目をつけた娘を、公卿士庶のいかなる家も、隠し立てることは許されません。いま、足下に淑徳の令媛がおられ、天子がその後宮入りを所望されたのは、むしろ喜ぶべきことだと思います。しかるに、足下が君命に逆らい、午門に叛詩を題したのは、いかなるご所存か。足下は、一女を愛する小節にとらわれて、君臣の大義を忘れ、そこで、足下の人格と識見を知る者として、ここに諫言を呈します。足下が、禍を転じて福となすことが出来れば、それにすぐる幸いはございません——

——俗话说,率土之滨,莫非王臣(地上的人都是王的臣子)。若天子欲选美女,举凡公卿士庶之家,又岂得隐匿?今足下之令媛,贤良淑徳,天子望其入后宫,岂非喜事也?然足下非仅逆君命,更题叛诗于午门,意欲何为?足下为爱女之小节而忘君臣之大义,罪在不赦也。昌素知足下之人格识见,特遣人呈此谏言。若足下能转祸为福,岂不妙哉?——

と、そして手紙はさらに続く。

然后,信里还说。

——足下が一女を宫廷に進めることには三つの利益があります。その一は皇親国戚となり天禄千鐘(一鐘は二十五斗)を賜わることで、その二は冀州城の永久鎮守が保証され、その三は民を戦禍から救い将士の殺戮を避け得ることです。しからざるときは、それを裏返した三害を免れますまい。「大丈夫(男の中の男)」は小節を捨てて大義につくべきです。どうして、まだ道理の分別もない小娘のために、一族を亡ぼす道理がありましょうか。われらはともに商臣であります。ご賢察の上、至急ご決断ください——

——足下若进女王廷,实有三利:身为皇亲国戚,得赐天禄千钟(一钟是二十五斗),一利也;冀州永久镇守,阖族有惊无险,二利也;救百姓于战祸之中,且令将士得避*戮之惨,三利也。如若不然,三害目下至矣。“大丈夫(男人中的男人)”当舍小节而全大义。岂能为区区无知小娘而亡国灭族哉?昌与足下同为商臣。望足下于贤察之上,速做决断——

読みながら、うなずいていた蘇護は読み了えた手紙を、黙って崇黒虎に渡す。目を通した崇黒虎が、やはり黙ったまま蘇護にうなずきかけて同意を示した。蘇護は“ついに”決断する。

苏护边看边点头,默默地将看完的信递给崇黑虎。崇黑虎看了一遍后,对还在沉默中的苏护点了点头,以示同意姬昌的建议。苏护“终于”做出了决断。

这个散宜生象妖怪

「ご苦労さまでした。御意をうけたまわった、と西伯侯にお伝えください。早々に支度を整え、娘を朝歌に送り、天子に謝罪します」

“辛苦你了。请你告诉西伯侯,我承了他的好意。我会尽早做好准备,将女儿送去朝歌,向天子谢罪。”

夜が明けると散宜生は西岐に帰った。崇黒虎も冀州城を出て、自分の本陣に戻る。

天亮后,散宜生踏上了返回西岐的路。崇黑虎也离开冀州城,回到自己的大本营中。

「よくぞ、無事で帰ってきた」と崇候虎は悦ぶ。そして、散宜生の冀州城での首尾をたずねた。崇黒虎はムッとして、意外なことを口にする。

“好啊!平安地回来了!”崇候虎喜出望外道。然后,他向崇黑虎询问散宜生在冀州城的具体情况。然而,崇黑虎却勃然大怒,说了些出人意料的话来。

「兄上、われわれは、血を分けた兄弟だ。しかし、一本の樹に稔る果実にも、酸っぱいのと甘いのがあり、同じ父母から生まれた兄弟にも、賢いのとバカなのがいる。蘇護が謀叛を起こすと、兄上は考えもなく兵を動かし、冀州城下で惨敗した。兄上はそれでも一応は四大諸侯の一人である。なのになぜ佞臣と組んで天聡を惑わし、天下の恨みを買うのだ。仲間の大諸侯と協調しなければ身を滅ぼす。兄上の五万の軍勢の力は、西伯の一本の手紙にも及ばなかった。蘇護は、娘を献じて天子に謝罪するつもりでいる。兄上は、無用な戦いを仕掛けて、将を失い兵を折った。天下の笑い草となることは間違いない。兄上は、わが崇門に傷をつけたのだ。今後、二度と兄上に会うつもりはない」と崇黒虎は言いのけたのである。そして左右に、即刻、蘇全忠を釈放せよと命じた。

“兄长,我们是有血缘关系的亲兄弟。但古语有云:一树之果,有酸有甜;一母之子,有贤有愚。苏护谋叛起兵,兄长不加考虑,兴兵征伐,最终惨败于冀州城下。仔细想来,你为何要与佞臣联手,迷惑天聪,招来天下人的怨恨呢?兄长,你好歹是四大诸侯之一啊!若日后再度领兵作战,你须先与其余大诸侯协调商议。如若不然,你迟早会自取灭亡。再者,兄长的五万天兵,竟不及西伯的一纸书信。如今,苏护欲献上女儿,向天子谢罪。如此一来,兄长你发起了无用的战争,还损兵折将,险些全军覆没。毫无疑问,兄长日后将成为天下人的笑柄。总而言之,兄长之言行,有伤崇门。今后,我崇黑虎再不会你!”崇黑虎说走就走,并命令左右将苏全忠立刻释放。

崇黑虎

蘇全忠は、崇黒虎に謝して冀州城に帰る。蘇護が心境の変化を全忠に説明するかたわらで、妲己と蘇夫人は泣きじゃくった。そして、感傷の一夜が明ける。

苏全忠向崇黑虎道谢,回到了冀州城。在苏护向全忠说明自己心境变化之时,妲己正和苏夫人抱头痛哭。不久后,感伤的一夜过去了。

蘇護は、さっそく三千の精鋭をえりすぐり、妲己を護衛して朝歌に向かった。妲己は、いまや彼の娘というより「貴人」である。やたらと馬に鞭をあてて、疲れさせてはならない。ゆっくりと、それでも幾山河を越えて、いつしか恩州の駅(宿場)に着いた。

苏护立刻调来三千精锐,护卫着妲己向朝歌而去。与其说妲己是苏护的女儿,倒不如说她成了个“贵人”。如今,苏护无法再胡乱地用鞭子抽打战马,更不能让战马累坏了。慢慢地,苏家父女越过千山万水,不知不觉地来到了恩州驿(宿场)。

先頭にはためく「貴人」の旙旂(はた)を認めて、駅丞(宿場支配人)が、丁重に迎える。

“贵人”的旙旂迎风飘扬。驿丞(宿场经理)确认后,郑重地迎接了妲己的到来。

漫画中苏护与女儿的决别

「厅堂を清掃して、貴人を案内せよ」と蘇護が命じた。が駅丞はもみ手をする。

“清扫厅堂,然后带贵人进去。”苏护下达了命令,但驿丞却不住地搓着手,提出了异议。

「実は、五年前に一度、厅堂にお化けが出ました。それ以来、気味悪いので、厅堂を使うお偉方さまはございません。やはり露営なされたが、よろしいかと存じます」

“其实,在五年前,厅堂里闹过一次鬼。从那以后,没有任何一位大老爷用过这间厅堂。毕竟,这种事还是很恐怖的。要不还是露营吧?我想您也会同意的。”

「なにを言うか。貴人に露営は無礼であろう。さっさと掃き清めるのだ」と蘇護は一向に、お化けを懼れる様子がない。そして妲己を奥の間に導くと、五十名の侍女小姓をつけた。自分は鉄鞭を片手に、正庁(玄関正面の応接間)に陣取る。二千五百の人馬で、駅の四方を取り囲み、駅の入口には屈強な五百の精兵を配した。

“你在说什么?对贵人而言,露营是无礼的!赶紧把厅堂打扫干净!”苏护向来对鬼怪无所畏惧。他将妲己引至内室,并安排了五十名侍女于其左右服侍。随后,苏护手持铁鞭,来到正厅(玄关前面的客厅)布置驿馆的防守。他先在驿馆四周安排了两千五百人的巡逻队,又将五百精壮部署在驿馆入口,以防不测。

漫画中的恩州驿

まもなく恩州城から、初更(午後八時)を告げる太鼓の音が、はるかに聞こえてくる。蘇護は鉄鞭を手に、堂庁を見廻った。妲己の寝室をのぞくと、よほど疲れたのであろう。ぐっすり眠っていた。蘇護は、安心して正庁に戻る。

不久后,初更(午后八时)的鼓声从恩州城远远地传来了。苏护手持铁鞭,在厅堂里巡视了一圈。女儿定然很累了吧?如今她睡得正香呢。苏护来到妲己的寝室看了看,又放心地回到了正厅。

やがて二更がすぎ、三更(十一時)の太鼓が鳴った。不意に、身の毛がよだつ一陣の陰風が、さっと吹き抜ける。パッと灯りが消えたが、ウソのように再び点った。

不久后,二更已过。三更(十一时)的鼓声响起。突然间,一阵令人毛骨悚然的阴风吹来。灯火噗地一下灭了,但马上又像谎言一样再次亮了起来。

「妖精だ!」と叫ぶ声が、奥から幾重にもコダマする。蘇護は身をひるがえして駈けつけた。近侍の衆が、口を開けて震えている。蘇護は、妲己の部屋に入り、そっと寝台の帳りを開けた。

“妖精!”喊叫声由内向外传来,足有十几重之多。苏护一个转身,急忙跑了进去。近侍们张着嘴,不停地颤抖着。苏护走进妲己的房间,悄悄地掀开了寝台的帷帐。

漫画情节

「こわかったか?」

“女儿,你可有在害怕什么?”

「いいえ。夢の中で、妖精と叫ぶ声が聞こえましたが、別に何も見なかったから、こわい思いはしませんでした」と妲己は微笑み、答える。しかし、この微笑んだ「妲己」は、蘇護の娘の妲己ではなかった。あの千年の女狐の化身である。

“不。在梦里,我听到一个声音在喊‘妖精’,但我什么东西都没有看到,因此我并没有害怕。”妲己微笑着答道。然而,这个微笑着的“妲己”并不是苏护的女儿妲己,而是千年女狐的化身。

女媧の密命を受けた三妖は、心なしの黒点虎に阻まれて、容易に紂王に近づけなかった。しかし、あの千年の女狐は、やはりさすがである。妲己が朝歌に向かったと知って、この妖孽は、秘かにつけ狙っていた。そしてついに、恩州駅でチャンスを摑んだのである。

在黑点虎的无心阻挠下,领受了女娲密命的三妖,无法轻易地接近纣王。不过,那只千年女狐果真是名不虚传。在知道妲己向朝歌出发的消息后,这只妖孽就决定悄悄地跟踪她。最终,她在恩州驿抓住了机会。

千年の女狐は、一陣の陰風に乗って、妲己を襲い、一瞬にして彼女の魂魄を奪うとにわかに妲己に姿を変えた。「借体成形」の術である。

乘着一阵阴风,千年女狐袭击了妲己,并在一瞬间夺走了她的魂魄。没多久,她就变成了妲己的样子。这就是“借体成形”之术。

这好象是从另一部漫画《潮与虎》里找到的灵感

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最后评论一下。

在多年对日本人作品的阅读中,我往往从满怀希望转为深深失望。尽管这部《封神演义》在日本也很有名。

但它还是有功的,因为它证明了我相信的一件事,那就是日本人的中文水平也就这样。

尽管一直以来,有很多国人跪添日本人对中国文化的了解。但事实上他们举的那些例子大部分都是日本人中的顶尖学者,能代表他们的平均水平吗?

就这部《封神演义》我才发现作者的一个严重错误,即他从头到尾都把“崇侯虎”写成了“崇候虎”。这不是无心之失,因为他的其他“侯”字用得完全正确,只能说明其对中国历史有了错误的理解,认为“崇候虎”才是正确的名字。

但在原著情节的还原上,他表现是很不佳的。如崇黑虎与崇侯虎兄弟反目一节上,其居然把关键的原著中崇侯虎诋毁姬昌的情节删除了。这样让读者以为是崇黑虎故意找事。事实上扭曲了原著。

就算对原文内容的直接翻译,安能务也是不合格的,可以将他的文章与原文对照看,比如崇黑虎与崇侯虎决裂时说的那话,指苏护造反。原著中是“反商”,他翻成了“谋叛”。看似一样,意义却有关键的差别。原著“反商”的意义只是说明苏护的行为,这是既成事实的。但“谋叛”就把苏护说成阴谋家了。性质就完全变了。而且又加入了一堆崇黑虎对哥哥的规劝,这是原著中没有的,完全显得啰嗦,而且和接下来的决裂行为矛盾。

更不用接下来对恩州驿事件大刀阔斧的改编了。玉面郎君都忍不住怒斥瞎搞。

看来真的不要相信什么日本人精通中国文化了,那都是骗你的。


本头条号连载。如要转载,请先征求译者“玉面郎君”和我之同意。

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